安価で手軽にムダ毛を処理できるカミソリ。日常的に使用している方でも、カミソリ負けに悩む方は多いでしょう。肌が弱い方や敏感肌の方だけでなく、誰にでも起こりうる肌トラブルです。
カミソリ負けを放置すると、色素沈着を起こして黒ずみになるため気をつけてください。注意していても肌がヒリヒリする症状を軽減するためには、原因と対処法を知ることが大切です。
本記事では、カミソリ負けの特徴や原因、対処法、防止するポイントについて解説します。肌に優しいムダ毛処理を心がけて、未然に防ぎましょう。
カミソリ負けとは、毛嚢炎の一種である「尋常性毛瘡（じんじょうせいもうそう）」と呼ばれる感染症のことです。ヒゲをシェービングした後のアゴや、ムダ毛を処理した後の腕・脚などに症状が現れます。
カミソリ負けの特徴は、以下のとおりです。
カミソリでのシェービングはもちろん、シェーバーを使ってもカミソリ負けが起こる可能性があります。
カミソリ負けは他の肌トラブルを引き起こすため、ムダ毛を処理できても美肌は目指せません。症状が悪化すると自己ケアでは治らず、医療機関の受診が必要です。
きれいな肌を維持するために、カミソリ負けの原因や対処法を理解し、肌への負担が少ない方法でムダ毛をケアすることが大切です。
カミソリ負けの原因は、傷ついた肌に細菌が侵入して炎症を起こすことです。手で触ってツルツルのように感じる肌でも、実際は表面に細かな凹凸がたくさんあります。凹凸部分をシェービングした際に肌が傷つき、カミソリ負けを起こします。
カミソリやシェーバーによるシェービングは、角質を落とし肌のバリア機能を低下させます。その結果、肌が敏感な状態になり、刺激の強いローションや熱いお湯でヒリヒリとした痛みやかゆみが発生するため注意が必要です。
カミソリ負けは肌が弱い方や敏感肌の方だけでなく、丈夫な肌の方にも起こる可能性があります。頻繁にムダ毛を処理する場合や、自己処理後のスキンケアが不十分な場合は注意してください。
肌トラブルを軽減するために、カミソリ負けの原因を把握して対処することが大切です。
カミソリ負けの対処法を4つ紹介します。
カミソリやシェーバーでムダ毛を処理した後は、少なからず肌が傷ついた状態です。自己処理後のケアを徹底して、カミソリ負けを防止しましょう。
カミソリ負けの肌は炎症を起こした状態です。患部が熱く感じる場合は冷たい水でタオルを濡らして、しばらく冷やしましょう。
かゆみを我慢できずに患部を掻きむしると、症状を悪化させるおそれがあります。さらに肌を傷つけてしまい、治るまでに多くの時間が必要です。
症状が落ち着くまでは、ムダ毛の処理も控える必要があります。患部はできるだけ触らないように、注意して過ごしましょう。
肌が乾燥した状態は、カミソリ負けによる炎症を悪化させます。患部を冷やした後はクリームや軟膏で保湿しましょう。
ムダ毛を処理した後は肌質に合ったケアを行うことで、カミソリ負けの症状を軽減できます。敏感肌の方はアルコールフリーのローションやミルクを使ってください。乾燥肌の場合は、乳液を追加することで乾燥の防止が期待できます。
また、患部が洋服で擦れると、痛みやかゆみなどの症状を引き起こすため注意しましょう。
カミソリ負けの患部に市販薬を使用することで、症状の軽減が期待できます。カミソリ負けの原因は傷ついた肌への細菌感染であり、抗菌成分（抗生物質）が配合された市販薬が効果的です。
どの市販薬を使用すべきか迷った場合は、ドラッグストアで薬剤師や登録販売者に聞いてみましょう。
ただし、ただれや化膿など症状が悪化していると、市販薬では症状が軽減できないことも。さらに状態が悪くなる前に、医療機関を受診してください。
自己ケアや市販薬の使用を試み、症状が改善しない場合はできるだけ早く皮膚科を受診しましょう。
ただれや化膿など症状が悪化している場合は特に要注意です。そのまま放置すると色素沈着を起こし、黒ずみになるおそれがあります。
医療機関であれば、抗菌成分（抗生物質）を配合した塗り薬や内服薬を処方してもらえるため安心です。また、カミソリ負けを早く改善したい方も、皮膚科を受診する方が良いでしょう。
カミソリ負けを防止するために、気をつけたいポイントを4つ紹介します。
カミソリ負けを防止するポイントを押さえて、トラブルのない肌を保ちましょう。
体調が悪い日や生理前、日焼けした直後の肌は敏感なため、ムダ毛の処理を控えましょう。
生理前はホルモンバランスの変化によって肌が敏感です。カミソリやシェーバーの刃が当たることで、カミソリ負けを起こす可能性があります。カミソリでムダ毛を処理する場合は、肌の状態が整いやすい生理後がおすすめです。
また、ムダ毛処理の頻度が多くなるにつれて刃を当てる回数が増えるため、毎日の処理は控えてください。自分の体調をしっかり把握して、ムダ毛処理のスケジュールを立てましょう。
ムダ毛処理に使用するカミソリやシェーバーは、常に清潔な状態を保ちましょう。清潔な道具を使って処理すれば、肌の傷口から細菌が侵入するリスクを軽減できます。
使用後のカミソリやシェーバーは、汗や皮脂などの汚れが付着した状態です。そのまま汚れを放置すると、雑菌の増殖が進み、サビが生じる原因にもなります。
ムダ毛を処理した後はクリーナーや水で洗い流し、よく乾燥させましょう。また、湿気の多い風呂場にカミソリやシェーバーを放置することもNGです。
カミソリの刃は2週間程度で劣化すると言われているため、定期的に交換してください。
繰り返し使い続けたカミソリやシェーバーの刃は、切れ味が悪くなった状態です。そのまま使用を続けると、肌に刃を強く押し当てることになり、肌を傷つけるリスクが高くなります。
何度も強く肌に押し当てる使い方は、カミソリ負けを起こす原因のひとつです。力の加減を間違うと、出血するおそれもあります。
カミソリ負けを事前に防ぐために、切れ味が悪さを感じたら、早めに刃を交換しましょう。
ムダ毛を処理する際には部位によってカミソリを使い分けてください。カミソリには顔用やボディ用・ビキニライン用などさまざまな種類があります。
例えば、一般的なT字型のカミソリは腕や脚などのムダ毛処理におすすめです。刃の枚数が多いため切れ味が良く、肌への負担を軽減できます。
また、顔のように繊細な部分のシェービングにはL字型のカミソリが適切です。部位に応じたカミソリを選択して、カミソリ負けを防ぎましょう。
シェービング時の注意点を4つ紹介します。
注意点を把握して、安全にシェービングを行いましょう。
カミソリでムダ毛を処理する際には、シェービング剤を使いましょう。シェービング剤を使うことで刃の滑りがスムーズになるため、肌を傷つけにくくなります。
シェービング剤の泡が肌とカミソリの間でクッションとなり、肌へのダメージが軽減されます。シェービング剤の量が少ないと肌が傷つくおそれもあるため、量を節約せずにたっぷり使いましょう。
また、保湿成分を配合したシェービング剤を使えば、しっとりとした仕上がりを目指せます。
ムダ毛を処理する際は、力を入れすぎないように優しくシェービングしてください。
腕や脚など広範囲な部分を処理する場合は時間がかかるため、一気にシェービングしがちです。しかし、力を入れすぎると肌を傷つける原因となります。力の加減によっては、出血してしまうかもしれません。
肌へのダメージを軽減するコツは、優しく撫でるようにシェービングすることです。力の加減に注意して、肌へのダメージを最小限に抑えましょう。
カミソリが肌に与える負担を軽減するためには、ムダ毛が生えている方向に沿ってシェービングすることが大切です。
「逆剃り」には深剃りできるメリットがありますが、肌に負担をかけやすく注意しなければなりません。
まずはムダ毛の流れに沿ってカミソリを動かす「順剃り」で処理してください。ムダ毛が残ってしまった場合にのみ、逆剃りで処理します。
ムダ毛を処理する際にはなるべく順剃りを心がけて、やむを得ない場合にのみ逆剃りでケアしましょう。
シェービング後は肌のバリア機能が低下しているため、保湿を徹底しましょう。乾燥肌の方だけでなく、どの肌質の方も乾燥しやすくなっています。
保湿を怠ると肌の乾燥が進んで、ヒリヒリした痛みやかゆみが悪化するおそれがあります。化粧水やローション、クリームを使った保湿により、乾燥を軽減することが大切です。
乾燥がひどいと感じる場合は、肌に潤いを与えた後でワセリンを塗りましょう。また、保湿剤は自分の肌質に合ったものを選んでください。
シェービング以外のムダ毛ケアには主に4つの方法があります。
除毛クリームやワックスは短時間で広範囲のムダ毛をケアする際におすすめです。ただし、肌への負担が大きいため、敏感肌の方は使用を控えてください。
クリニック・サロンや光美容器によるケアは、続けることで徐々にムダ毛が目立ちにくくなります。
カミソリ負けなど肌トラブルが気になる方は、他のケア方法も検討してみてください。
