足のむくみ解消

足のむくみ解消

足のむくみを解消するマッサージ方法

自分ですぐに取り組める改善方法を紹介

本ページでは、足のむくみを起こすさまざまな原因を紹介したのち、むくみ解消のためのマッサージ方法や予防方法を分かりやすく解説しています。
セルフケアで手軽にできる方法を紹介していますので、ぜひ足のむくみ解消&予防にお役立てください。
ただし、慢性的なむくみなどが長期間続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

1 足がむくむ原因とは?

足のむくみには筋力の低下、血行不良、食生活の偏りなどさまざまな原因があります。
ここでは、足のむくみの代表的な原因について紹介していきます。

運動不足による筋力の低下

運動不足による筋力の低下は、足のむくみの代表的な原因のひとつです。
特にふくらはぎの筋肉は、足から心臓へ血液を送り返す際にポンプの役割を担っています。
そのため、運動不足により筋力が低下すると、ポンプとしての機能が弱くなって血液を上手く送り返すことができなくなってしまい、足がむくんでしまうのです。
また一般的に女性は男性と比べ筋力が弱いため、むくみやすい傾向にあります。

運動不足による筋力の低下

姿勢や冷えによる血行不良

姿勢や冷えによる血行不良も、足のむくみの原因です。
血行不良になると血液を送り返す機能が低下し、足がむくみやすくなります。
血行不良の原因は、長時間同じ姿勢でいること、姿勢の悪さ、冷えなどが挙げられます。
例えば、長時間の座り仕事や立ち仕事により筋肉の緊張状態が続いたり、身体の一部分に体重がかかり続けたりすることで血液の流れが悪くなります。

姿勢や冷えによる血行不良

また足や手などの末端は冷えやすいため、血液の巡りが悪くなりむくみにつながります。
このように、姿勢や冷えによる血行不良もむくみの原因となります。

食生活の偏り

食生活の偏りも、足のむくみにつながる原因のひとつです。
特に塩分の摂り過ぎは、足のむくみの直接的な原因になります。
塩分には水を引き寄せる力があり、人間の身体は体内の塩分が多ければ多いほど水分を溜め込んで体内の塩分濃度を一定にしようとする性質があります。
そのため、偏った食生活で塩分を摂りすぎた結果、むくみが生じることがあります。
なお、日本人の食塩摂取量は世界からみると高い傾向にあります。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、食塩摂取量の目標値は、
成人1人1日当たり男性7.5g未満、女性では6.5g未満と設定されています(1)

食生活の偏り

アルコールの摂り過ぎも、血液のアルコール濃度の上昇を抑えるために身体が水分を取り込み、むくみを引き起こすことがあります。
また、体内の余分な水分を排出する働きを持つカリウムやマグネシウムが不足したときも足がむくむことがあります。
このように、塩分・アルコールの摂り過ぎやカリウム・マグネシウムの不足といった食生活の偏りはむくみの原因となるため、注意が必要です。

(1)参考:日本人の食事摂取基準(2020年版)|厚生労働省

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れも、足がむくむ原因のひとつです。
女性の場合は、黄体ホルモン(プロゲステロン)と呼ばれる女性ホルモンが生理前に分泌されると体内に水分が溜まりやすくなり、足のむくみを引き起こすことがあります。
その他にも、卵胞ホルモン(エストロゲン)と呼ばれる女性ホルモンが自律神経を乱すことで、体内の血液循環が悪くなり足のむくみを引き起こすこともあります。
これらの女性ホルモンの乱れも、足がむくむ原因となります。

水分不足

意外にも、水分不足が足のむくみの原因となることがあります。
一見、水分不足と足のむくみは相反するものと考えられがちですが、実は深い関係があります。
人の身体は、体温、血圧、呼吸等を一定に保とうとする、ホメオスタシス(恒常性維持)という力が働いています。
そのため水分不足の状態が続くと、体内にある水分を溜め込もうとする力が働くため、手足を含め様々な部位にむくみを引き起こします。
水分不足は、発汗、下痢、嘔吐、アルコールの過剰摂取などでも起こります。
このように水分不足もむくみの原因となるため、ご注意ください。

2 足のむくみを解消するマッサージ方法

足のむくみを解消するマッサージ方法をご紹介します。
どれもひとりで簡単にできるので、風呂上がりや寝る前などに、ぜひ実践してみてください。

撮影協力:SIXPADオフィシャルトレーナー JOSEÉ

■ ふくらはぎのマッサージ方法

ふくらはぎは、足のむくみを解消するセルフマッサージのなかでは特に大切です。
ふくらはぎをセルフマッサージする際は、足首からひざの方向に血液を心臓に送り返すように圧をかけることを意識しましょう。
マッサージクリームやマッサージオイルなどを使用すると、手の滑りがスムーズになり、リラクゼーション効果も高くなるためおすすめです。

  • 1.

    座った状態で、片方のひざを立てます。

  • 2.

    親指を除く4本の指で、ふくらはぎを包み込むようなイメージで圧をかけます。

  • 3.

    足首側からひざに向かって、圧をかけながら手を移動します。

  • 4.

    左右各5~10回程度を目安に行います。

■ 足首のマッサージ方法

足首のマッサージは、普段の生活ではあまりすることがない動きを与えることがポイントです。
普段の生活では足首を回すことはほとんどないため、多くの人は足首が硬くなっていると言えるでしょう。
足首が硬くなると動きが制限され、ふくらはぎや太ももの筋肉に負担をかけてしまうため、足首の動きを良くすることが大切です。
足首を回すことに加えて、普段の生活ではあまりしない足の指を広げるという動作も効果的です。

  • 1.

    あぐらをかいた状態で座り、
    片方の足の指の間に足と逆の手の指を組むように入れます。

  • 2.

    1の状態のまま、足首をゆっくり大きく回します。

  • 3.

    左右各5~10回程度を目安として行います。

■ 足の裏のマッサージ方法

足の裏をセルフマッサージする際は、足裏全体をまんべんなく押すことがポイントです。
足の裏には多くのツボが存在しており、東洋医学においては指で押したときに痛みを感じる場所によって弱っている臓器が分かるという考え方もあります。
立ち仕事や家事で負担のかかりやすい足裏を定期的にセルフケアすることで、血行促進が期待でき、足のむくみの解消につながるでしょう。

  • 1.

    あぐらをかいた状態で、足の裏を親指で押していきます。

  • 2.

    かかとから指先まで、足の裏全体を押していきます。
    ※痛い部分や気持ちが良い部分は、少し強めに押すなど時間をかけて行いましょう。

  • 3.

    反対の足の裏も、同様に行います。

■ 太もものマッサージ方法

太ももをセルフマッサージする際は、リンパ液を流すことを意識して実践しましょう。
体内の老廃物(リンパ液)を運ぶリンパ管は、リンパ液の流れが悪くなると、足をはじめとしたさまざまな部位でむくみを引き起こしてしまいます。
特に太ももに位置する鼠径(そけい)部には、多くのリンパ管が集結していてリンパ液が溜まりやすいため、鼠径部のリンパ液を流してあげるよう意識しながらセルフマッサージを行ないましょう。

  • 1.

    片方のひざを軽く曲げた状態で座ります。もう片方の足は前に伸ばしましょう。

  • 2.

    ひざを曲げた方の太ももに、両手を重ねて体重を乗せながら圧をかけます。

  • 3.

    ひざ側からももの付け根(鼠径部)に向かって軽い圧をかけながら移動します。

  • 4.

    左右各5~10回程度を目安に行います。

3 足のむくみを予防するためには

足のむくみを予防するためには、普段の生活での心がけが大切です。
おすすめの予防方法を以下に紹介しますので、実践してみましょう。

足の筋力をつける

足の筋力をつけると、足のむくみの予防が期待できます。
むくみを予防するために特に筋力をつけて欲しい部位が、「ふくらはぎ」です。
ふくらはぎの筋力をつけると、血液を心臓へ送り返すポンプ機能が向上することで体内の血液循環が良くなり、むくみの予防につながります。
また、ふくらはぎにある「下腿三頭筋」や、太ももの「大腿四頭筋」、「ハムストリング」は姿勢安定に寄与する筋肉であるため、
足の筋力をつけることは姿勢の悪さからくる足のむくみの予防にも効果的です。

足の筋力をつける

水分をしっかり摂る

水分をしっかり摂ることで、足のむくみの予防が期待できます。
先述したとおり、体内の水分が不足すると身体はかえって水分を溜め込もうとするため、むくみが生じやすくなります。
人間の身体から1日に排出される水分量は約2.5リットルで、同量の水分を体内に取り込む必要があります。
2.5リットルの水分を補うためには、「食事から1リットル・体内生成から0.3リットル・飲み水から1.2リットル」が目安とされているため、1日に水やお茶を1.2リットル飲むよう意識するといいでしょう(2)

(2)参考:熱中症環境保健マニュアル2022|環境省

水分をしっかり摂る

血行を良くする

血行を促進することも、足のむくみ予防に効果的です。
血行を良くするにはさまざまな方法がありますが、特におすすめの方法は入浴やストレッチ、有酸素運動です。
入浴で血行を促進することで、身体が温まって血行を良くすることができます。
身体の芯まで温めるためには、38℃のぬるま湯の場合は25~30分ほどの入浴、42℃の熱めの湯の場合は5分ほどの入浴を目安としましょう。

血行を良くする

ストレッチは、起床時や風呂上がりにふくらはぎや足首を伸ばす簡単なものでも血行を良くする効果が期待できます。
時間に余裕があれば、ラジオ体操をすることもおすすめです。
有酸素運動も、家の周りを軽く20~30分歩くだけでも身体が温まり血行が良くなります。
ストレッチや有酸素運動のほか、身体を冷やさないように靴下やブランケットを活用するのもひとつの方法です。
血行促進を心がけることで、足のむくみを予防しましょう。

4 まとめ

本記事では、足がむくむ原因と、足のむくみを解消するマッサージ方法や予防方法を紹介しました。
足がむくむときはマッサージでセルフケアをしつつ、むくみ予防のために運動や水分補給、血行促進を心がけましょう。
また、慢性的なむくみが続く場合は、医療機関に相談しましょう。