睡眠の質を上げる

睡眠の質を上げる方法
良い睡眠を妨げる原因も併せて解説
睡眠の質を上げるためには、寝室の環境を整えることはもちろん、食事や運動を工夫するなどさまざまなポイントがあります。
本記事では睡眠の質について解説し、睡眠の質を上げるための方法を具体的に紹介します。
意外と見落としがちな睡眠を妨げる原因についても併せて解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
1 睡眠の質とは
睡眠の質は、規則正しい睡眠サイクルや日中の眠気、まとまった睡眠の有無、入眠までの時間など睡眠をさまざまな観点から総合的に評価してその良し悪しを判断します。
「寝つきがいい」だけでは質の高い睡眠がとれているとは言えず、ぐっすりと眠れることや、気持ちよく目覚められることも睡眠の質を構成する重要な要素です。

また睡眠は、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類で構成されています。
眼球が急速に動くRapid Eye Movementの頭文字をとったレム睡眠は、脳の記憶の定着や感情の処理に重要な役割を果たしており、レム睡眠中には夢を見ることが多いとされています。
レム睡眠は主に脳の活動に関わるのに対して、ノンレム睡眠は筋肉や内臓、神経組織などの回復や、成長ホルモンの分泌が活発になる睡眠状態のことを指します。
レム睡眠とノンレム睡眠が適切なバランス(90分前後の周期で約4~5回)で繰り返されることが、最適な睡眠サイクルと言われています。
また、睡眠の質には体内時計(サーカディアンリズム)も大きく関係しており、質の良い睡眠をとるためには体内時計が正常に機能していることも重要です。
体内時計が24時間周期で正常に機能することで、朝は自然と目覚め、夜は自然と眠くなるの
です。
不規則な生活などで体内時計が正常に機能しなくなると睡眠の質が下がり、日常生活にもさまざまな影響を及ぼすことになります。
2 睡眠の質を上げる方法
睡眠の質を上げる方法として、生活習慣を整える、食事や運動を意識する、睡眠環境を整えるなどさまざまな方法があり
ます。
どれも日常生活で簡単に実践できるものなので、ぜひ今日から実践して睡眠の質を高められるようにしましょう。
生活習慣を整える
睡眠の質を上げるためには、生活習慣を整えることが大切です。
特に「毎日同じ時間に起床し、同じ時間に就寝する」という起床・就寝のリズムを一定に保つことは、睡眠の質を上げるためには欠かせません。
規則正しい生活習慣が定着することで、体内時計が整って夜に自然な眠気を感じられるようになり、質の高い睡眠につながります。

食事の摂り方に気を付ける
睡眠の質を上げるためには、食事の摂り方にも気をつけましょう。
食事面で特に意識したいポイントは、「朝食を摂ること」と「夕食の時間」です。
朝食を摂ることは、身体を活発にして体内時計を整え、1日の生活リズムを作ることにもつながり
ます。
朝食で糖分を適度に摂取することで脳の働きをサポートし、日中を活動的に過ごせるようになるため、パンやご飯、フルーツなどを取り入れるといいでしょう。
時間がない場合も、簡単なものでもいいのでなるべく朝食を摂るように心がけましょう。

また夕食は、就寝時間の2〜3時間前までには済ませておくことがポイントです。
15歳以上のアメリカ人を対象に行った調査からは、就寝時間の1時間以内に食事を摂ると睡眠の質が低下するという研究結果も出ているため(1)、寝る直前に食事を摂ることはできるだけ避けるといいでしょう。
仕事の都合や空腹でどうしても就寝1時間以内に食事を摂取しないといけない場合は、なるべく消化の良い食材を選ぶようにしましょう。
バナナやヨーグルトなどは消化も良く、睡眠を促す効果がある「トリプトファン」というアミノ酸も含まれているためおすすめです。
(1)参考:Iaoほか(2021)「Associations between bedtime eating or drinking, sleep duration and wake after sleep onset: findings from the American time use survey」『British Journal of Nutrition』第127巻12号
適度に運動する
睡眠の質を上げるためには、適度に運動をすることが大切です。
運動と睡眠に関する6,000人の疫学研究では、運動をすることで睡眠の質が低下するリスクや睡眠時間が6時間未満になるリスクが低減されることが確認されています(2)。
適度な運動としておすすめなのは、軽いウォーキングや水泳など、息が弾む程度の有酸素運動
です。
もちろん、筋力トレーニングやストレッチなどの運動も効果的です。
過度な運動は睡眠の質を低下させてしまうリスクがあるため、入眠直前の激しい運動は避けて心地良い疲労を感じる程度の運動に留めましょう。

カフェインやアルコールを控える
睡眠の質を上げるためには、覚醒作用のあるカフェインやアルコールの摂取を控えることも意識しましょう。
コーヒーや緑茶、エナジードリンク、チョコレートなどのカフェインを含む食品を就寝前に摂取することは入眠の妨げになるリスクがあるため、注意が必要です。
カフェインの作用に敏感な人は、寝る5~6時間前から摂取を控えるといいでしょう。
アルコールは入眠効果がある一方で、途中で目が覚めやすくなったり、明け方の寝付きが悪くなったりするリスクが高まって結果として睡眠の質を下げてしまうため、控えることをおすすめし
ます。

寝室の睡眠環境を整える
寝室の睡眠環境を整えることは重要なポイントのひとつです。
寝るときは照明を暗くする、寝る前にはテレビやスマートフォンを見ないようにする、寝室のカーテンを閉めるなどして、就寝直前はできるかぎり「光」を避けて体内時計がずれないようにしまし
ょう。

枕やマットレス、パジャマなどの寝具も、自分に合ったものを選ぶといいでしょう。
一般医療機器のスリープウェア「Recovery Wear Sleep」は着て寝るだけで疲労回復ができるため、寝具にもこだわりたい人におすすめ
です。
独自の繊維「Mediculation®」が、身体から放出される遠赤外線(体温)を輻射(ふくしゃ)することで血行を促進し、疲労回復や筋肉のコリなどの症状を緩和します。
3 質の良い睡眠を妨げる原因
質の良い睡眠を妨げる原因には、生活習慣の乱れやストレス、カフェインの摂取などがあります。
以下で詳しく紹介していきますので、心当たりがある場合は少しでも改善できるように意識してみましょう。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れは、質の良い睡眠を妨げる主な原因のひとつです。
昼夜逆転の生活をする、夜更かしをするなどの不規則な生活は体内時計が乱れる原因となり、睡眠の質が下がります。
また、休日に寝溜めをすることは逆効果になる場合があるため、注意が必要です。
平日と休日の起床時間の差(社会的ジェットラグ)が2時間以上になると睡眠の質が低下する・日中に強い眠気を感じる原因になるため(3)、休日もなるべく平日と近い時間に起きるように心がけましょう。
生活習慣を整えることに加え、運動不足も解消できるように意識することが大切です。
生活習慣の一部に運動を取り入れて習慣づけることで、質の高い睡眠がとれるようにしましょう。
ストレス
ストレスも、質の良い睡眠を妨げる原因のひとつです。
ストレスは、腰痛や肩こりなどの身体の痛みや痺れなどにより睡眠が妨げられる「身体的ストレス」と、不安や悩みごとなどによって睡眠が妨げられる「心理的ストレス」の2種に分類されます。
身体的ストレスの場合、医療機関などで適切な治療を受けることで解決に向かう可能性が高いですが、心理的ストレスの場合は解決までに時間を要する場合もあります。
趣味や習いごとなど、心身をリフレッシュしてストレスを一時的にでも発散させる方法を確立させておくことも大切です。
カフェインなどの嗜好品
カフェインを含んだ飲料や食品の摂り過ぎは、質の良い睡眠の妨げとなるため控えましょう。
先述した通りカフェインには覚醒作用があるため、過剰に摂取したり就寝前に摂ったりすることは入眠の妨げとなるリスクが高く、注意が必要
です。
カフェインの他、タバコやアルコールにも気をつけましょう。
タバコやアルコールに含まれる成分は睡眠を阻害して眠りを浅くするリスクがあるため、夜や寝る前の喫煙、寝る前の飲酒は避けましょう。
睡眠環境
睡眠環境が整っていないことも、質の良い睡眠を妨げる原因となります。
先述したように、寝室や寝具などの寝るための空間を整えることが大切です。
明るすぎる照明や不適切な室温(寒すぎる・暑すぎる)、就寝前のスマートフォンの使用などは、入眠や深い睡眠を妨げる原因となるため、適切な睡眠環境になるように部屋や就寝前の行動を見直してみましょう。
また、「眠らなければならない」というプレッシャーも睡眠を妨げる原因になる場合があります。
なかなか眠れないときは一旦ベッドから離れ、落ち着く音楽を聴いたり読書をしたりして眠気がくるのを待ってからベッドに入るようにしてみまし
ょう。
4 まとめ
本記事では、睡眠の質について解説したのち、睡眠の質を上げる方法を紹介しました。
睡眠の質の良し悪しは、すぐ眠れる・深く眠れる・気持ちよく目覚められるといった複数の項目から複合的に評価されるため、睡眠の質を上げるには就寝数時間前から就寝直前まで、さまざまなことを意識する必要があります。
睡眠の質を上げる方法としては、規則的な生活習慣を身につけること、食事や運動を意識すること、そして睡眠環境を整えることなどが重要です。
どれも普段の生活の中で手軽に取り組めるものばかりなので、取り入れられやすいものから実践し、睡眠の質を上げて快適な毎日を過ごせるようにしましょう。