腰周りの筋トレ

腰周りの筋トレ

腰周りに効く筋トレメニュー

腰への負担が少なく自重で取り組めるトレーニング

本記事では、腰周りの筋肉を効果的に鍛えるためのトレーニング方法や、腰周りの筋肉を鍛えるメリットを紹介しています。
正しいトレーニングの方法を知り、腰周りの筋肉をバランスよく鍛えることで、腰への負担が軽減されます。
腰痛の予防や姿勢改善にもつながるため、ぜひ実践してください。

1 腰周りの筋肉の構成と特徴

腰周りの筋肉は、お腹・背中(下部)・骨盤につながる筋肉を指します。
腰周りには多くの筋肉がありますが、腰周りにおける重要な筋肉は腹直筋・脊柱起立筋・腰方形筋・腸腰筋の4つです。
これら4つの筋肉の特徴を、具体的に紹介していきます。

腹直筋

腹直筋は、お腹の前面の、肋骨の下から骨盤にかけてある筋肉を指します。
腹直筋の役割は、体幹の屈曲(身体を前に曲げる動き)と側屈(身体を横に倒す動き)、内臓の保護や呼吸運動に加えて、体幹を安定させ正しい姿勢を保持することなど多岐にわたります。
腹直筋には、白線(はくせん)と、腱画(けんかく)と呼ばれる線維が走行しており、これらの線維によって6つの筋肉(人によっては8つ)に分かれています。
皮下脂肪が薄くなること、また腹直筋が鍛えられて厚みが増すことで分かれ目がよりはっきりと見えるようになり、俗にいう「シックスパック」になります。

腹直筋

脊柱起立筋

脊柱起立筋は、腸肋筋・最長筋・棘筋などから構成されており、脊椎(背骨)の両サイドに沿うように存在しています。
脊柱起立筋の役割は、体幹の伸展(身体を後ろに反らす)と体幹の側屈(身体を横に倒す)、姿勢を真っ直ぐに保つことです。
脊柱起立筋は骨盤から頭部に位置する筋肉のため、整った綺麗な姿勢作りには欠かせない筋肉と言えるでしょう。

脊柱起立筋

腰方形筋

腰方形筋は、背中の最深部に位置する筋肉で、骨盤から腰椎・肋骨(いちばん下)に左右が対になって付着しています。
腰方形筋の役割は、体幹の伸展(腰を後ろに反らす)と体幹の側屈(身体を横に倒す)、姿勢を真っ直ぐに保つことです。
腰方形筋は背中側の深い位置にあるため体表から触ることが難しい筋肉ですが、姿勢を保つのに重要な役割を果たしている筋肉のひとつです。

腰方形筋

腸腰筋

腸腰筋は、大腰筋・小腰筋・腸骨筋から構成されており、腰椎から大腿骨の上部にかけて体幹と下肢をつなぐように付着する筋肉です。
腸腰筋の役割は、股関節の屈曲(腿を上げる・しゃがむなど)や股関節の外旋(股関節を外に回す)、姿勢の安定など多岐にわたります。
腸腰筋は、体幹と下肢をつなぐ主要な筋肉であり、歩く・立つなど日常生活の多くの動きにも深く関わる重要な筋肉と言えます。

腸腰筋

2 腰周りの筋肉を鍛えるメリット

腰周りの筋肉を鍛えると、腰痛の予防や姿勢改善、運動パフォーマンスの向上など多くのメリットが期待できます。
ここでは、腰周りの筋肉を鍛えるメリットを分かりやすく紹介していきます。

腰痛の予防・緩和につながる

腰周りの筋肉を鍛えると、腰痛の予防・緩和が期待できます。
腰周りの腹直筋・脊柱起立筋・腸腰筋は、重力に対して姿勢を保ち続けるために必要な「抗重力筋」に分類されます。
抗重力筋は、姿勢を保ち続ける働きをする筋肉のため、常に収縮して緊張状態にあります。
筋肉自体に力や持久力がなければ疲労がたまりやすくなり、やがて腰痛の症状が出現する場合があるのです。
そのため、腰周りの抗重力筋を鍛えて疲労がたまりづらくすることは、腰痛の予防・緩和につながります。
ただし腰痛の原因にはさまざまな要因があり、筋肉を鍛えることでかえって悪化させてしまう場合もあるため、治療や改善を目的とする場合は専門家に相談してください。

腰痛の予防・緩和

反り腰などの姿勢改善につながる

腰周りの筋肉を鍛えると、反り腰をはじめとした姿勢改善の効果が期待できます。
先述したように、腰周りには姿勢を保つ働きを担う「抗重力筋」が存在しています。
抗重力筋のひとつでもある腹直筋は、骨盤の過度な前傾を防ぐ役割があり、腹直筋が衰えると骨盤が前傾しやすく、腰が反ってしまいます。
背中側に位置する脊柱起立筋も、衰えると脊椎(背骨)を正しく支えることができなくなり、猫背やぽっこりお腹の原因になってしまいます。
腰周りの筋肉を鍛えることは、反り腰や猫背といった姿勢の予防・改善をするためにも効果的なのです。

反り腰の改善

体幹強化によるパフォーマンス向上

腰周りの筋肉を鍛えると体幹が強くなるため、さまざまなパフォーマンス向上が期待できます。
例えば、ボールを遠くに飛ばすためには腕の力だけでなく腰の力も必要です。
具体的には、脊柱起立筋・腰方形筋・外腹斜筋・内腹斜筋など多くの筋肉を使って身体をねじる遠心力でボールを遠くに飛ばします。
また、速く走るためには太ももを力強く引き上げる腸腰筋、ゴルフでボールを真っすぐ飛ばすためには腹直筋・脊柱起立筋など体幹の筋肉が必要です。
このようにパフォーマンスの多くに体幹が関わっているため、腰周りの筋肉を鍛えることはパフォーマンス向上につながります。

体幹強化によるパフォーマンス向上

引き締まり(「浮き輪肉」の解消)

腰周りの筋肉を鍛えると、身体を引き締める効果が期待できます。
特に、腹直筋をはじめとしたお腹の筋肉を鍛えることは、お腹周りの「浮き輪肉」と呼ばれるぜい肉の解消にも効果的です。
また、腰周りの筋肉を鍛えることは、筋肉量が増えることによる基礎代謝の向上も期待できます。基礎代謝が向上すると1日の消費カロリーが増えるため、痩せやすく太りにくい身体を手に入れることができます。

引き締まり

3 自宅で気軽にできる腰周りの自重トレーニング

ここでは、自宅で特別な器具なしで、気軽に取り組める腰周りの筋トレメニューを紹介していきます。
腰への負担が少ないものから順に紹介していきますので、ぜひ実践してみてください。

撮影協力:SIXPADオフィシャルトレーナー KENTA

■ プランク

腰の負担度:1(5段階中)
プランクは、腹直筋・脊柱起立筋を中心とした腰周りの筋肉を鍛えるスタンダードなトレーニングです。
腰への負担が少なく初心者でも実践しやすいトレーニングですが、お尻が下がって腰が落ちてしまうと腰に負担がかかりやすくなるため、特にお尻の位置を意識して取り組みましょう。

  • 1.

    うつ伏せの姿勢から両ひじを床につける。

  • 2.

    腰を浮かせ、つま先を立て、横から見ると一直線になるよう姿勢をキープする。

  • 3.

    2の姿勢を20~30秒キープ×2~3セット行う。

■ ヒップリフト

腰の負担度:2(5段階中)
ヒップリフトは、お尻周りの筋肉を鍛えるトレーニングで有名ですが、同時に脊柱起立筋も鍛えることができます。
お尻を持ち上げるだけと動作も簡単なため、初心者でも実践しやすいトレーニングです。
腰への負担も軽く安全なトレーニングですが、腰を反らせ過ぎると負担がかかりやすくなるため、注意しながら実践しましょう。

  • 1.

    マットの上に仰向けになり、両足のひざを立てて足裏を床につける。

  • 2.

    床を足裏で押してお尻を持ち上げ、お尻がいちばん高い位置で20~30秒キープする。

■ バイシクルクランチ

腰の負担度:3(5段階中)
バイシクルクランチは、腸腰筋・腹直筋・腹斜筋を中心とした腰周りの筋肉を鍛えるトレーニングです。
交互に脚を引き上げるフォームが自転車を漕ぐ様子に似ていることから名づけられたとされています。
身体を捻る動作を伴うため、腰への負担はやや高めです。
運動強度も高いため、無理のない範囲で実践しましょう。

  • 1.

    仰向けに寝た状態で、両手を耳の後ろに添えるように置き、頭を浮かせる。
    両足を浮かせ、床から垂直になる位置で止める。

  • 2.

    片方の脚を浮かせたまま真っすぐ伸ばし、反対の脚はひざを曲げて胸元に引き寄せる。

  • 3.

    身体を捻りながら、引き寄せた脚のひざを反対のひじに付ける。

  • 4.

    2~3を、左右を入れ替えながら10回×2~3セット行う。

■ ニートゥチェスト

腰の負担度: 3(5段階中)
ニートゥチェストは、腹直筋(主に下部)・腸腰筋を中心とした腰周りを鍛えるトレーニングです。
下腹部を鍛えるトレーニングは腰への負担が大きいものが多いですが、ニートゥチェストは比較的負担が軽いトレーニングのため、初心者でも安心して実践できます。

  • 1.

    両脚を伸ばした状態で床に座り、両手は身体の後ろに置く。

  • 2.

    胸に向かって引き寄せるイメージでひざを曲げる。

  • 3.

    脚を真っ直ぐ伸ばす。
    ※このとき、脚は地面には付けないように意識しましょう。

  • 4.

    2~3を10×3セット行う。

■ バードドッグ

腰の負担度:5(5段階中)
バードドッグは四つん這いの姿勢から片手・片足を上げる、ダイナミックな動きを伴うトレーニングです。
不安定な状態をキープすることで、脊柱起立筋など腰周りの筋肉が鍛えられます。
脚を後ろに伸ばす際は反動を使うと腰に負担がかかってしまうため、ゆっくりと伸ばすことを意識しましょう。

  • 1.

    床に手をつき四つん這いになる。

  • 2.

    片腕を前に伸ばし、伸ばした腕と反対の脚を後ろに伸ばす。

  • 3.

    10秒キープしたら姿勢を戻し、反対の手と脚を伸ばして同様に10秒キープする。

  • 4.

    2~3を10~20回行う。

4 筋トレと併せて「Powersuit Core Belt」を活用

忙しくて自重トレーニングをする時間がない日や、腰への負担が気になる日は、「Powersuit Core Belt」を活用することがおすすめです。
Powersuit Core Beltは、1回23分のEMS(筋電気刺激)トレーニング・プログラムが腹筋と背筋(下部)にアプローチします。
座ってテレビを見たり本を読んだりしながらトレーニングができるので、腰への負担が気になる方にもおすすめです。
また、布製電極を水で濡らすことで通電可能なため、多くのEMS製品で必要だったジェルシートは不要でランニングコストがかかりません。

Powersuit Core Belt

5 腰周りの負担を軽減するために普段から意識すること

腰周りの負担を軽減するために、トレーニングの他にも普段の生活で意識できる点が多くあります。
特に以下の点を意識して、腰への負担を減らせるようにしましょう。

ストレッチをして腰を伸ばす

腰周りの負担軽減には、ストレッチが効果的です。
特に、「抗重力筋」と呼ばれる腹直筋・脊柱起立筋などの姿勢を保持するための筋肉は常に収縮して緊張状態にあるため、意識して伸ばすと良いでしょう。
簡単に実践できるストレッチは前屈・後屈です。
ただし、伸ばすときに反動を使ったり痛みを感じるまで伸ばしてしまったりするとかえって筋肉の負担が増大してしまうため、痛みを感じる手前で止めるよう注意しましょう。

ストレッチ

正しい姿勢をキープする

腰周りの負担軽減には、正しい姿勢をキープできるように意識することも大切です。
また正しい姿勢をキープすることは腰周りの負担を軽減するだけでなく、筋肉の強化も期待できます。
たとえば座っているとき・立っているときは、お腹を軽く凹ませるように力を入れると背筋が伸ばされて、正しい姿勢がキープできます。
また歩くときには、頭の先から紐で吊るされているイメージで歩くと、正しい姿勢をキープしやすくなるでしょう。

正しい姿勢

血行促進

腰周りの負担軽減には、腰を温めて血行を促進することも大切です。
特に冬場の寒い時期や筋肉を酷使したときは、血行が悪くなって筋肉が硬くなりやすいため、血行を促進する必要があります。
温める方法はさまざまですが、もっともポピュラーな方法が「入浴」です。
ぬるま湯(約40℃)に20~30分程度浸かることで深部まで身体を温めることができ、血行促進効果が期待できます。

血行促進

身体の使い方を意識する

腰周りの負担軽減のためには、普段から身体の使い方を意識することも大切です。
例えば、腕の力だけで物を持ち上げたり、勢い任せに立ち上がったりすることは腰に負担をかける要因となるため、注意が必要です。
物を持ち上げるときは、ひざの曲げ伸ばしを意識すると、腰周りの負担が軽くなります。
また椅子から立ち上がるときは、手をひざの上に置き、頭を前に倒すと腰周りに負担をかけずに立ち上がることができます。

体の使い方

6 まとめ

本記事では、腰周りの筋肉を鍛えるメリットや方法について解説しました。
腰周りには多くの筋肉があり、それぞれの筋肉が休むことなく働き続けています。
腰周りの筋肉を鍛えることで姿勢やパフォーマンス、腰痛を予防するなど多くのメリットがあるため、
ぜひ取り組みましょう。