骨盤底筋のトレーニング

骨盤底筋を鍛えるトレーニング
尿もれ改善に効果的な方法を紹介
骨盤底筋を鍛えるトレーニングは、尿もれの改善やぽっこりお腹の解消など多くのメリットがあります。
本記事では、自宅で簡単に取り組める骨盤底筋のトレーニングや骨盤底筋を鍛えるメリットを紹介していき
ます。
座ったまま・寝ながら・立ったままなど、特別な器具を使わずに取り組めるトレーニングを紹介していますので、
ぜひ参考にしてください。
1 骨盤底筋群の構成と特徴
骨盤底筋群は骨盤の底の部分にある筋肉の集まり(筋群)で、肛門挙筋・会陰横筋・外尿道括約筋・外肛門括約筋などの多くの筋肉から構成されており、骨盤の内側にハンモックのような形状で位置しています。
骨盤底筋群はインナーマッスルに分類されるため体表から触ったり動きを確認したりすることは難しいですが、膀胱や子宮、直腸などといった内臓を下から支える役割を担っている重要な筋肉です。
骨盤底筋群が衰えると尿もれや体形の崩れにつながる可能性があるため、意識的に鍛えることが重要です。

2 骨盤底筋を鍛えるメリット
骨盤底筋を鍛えることは、尿もれ改善・予防、腰痛の軽減、姿勢の改善、ぽっこりお腹の改善など、多くの効果を期待でき
ます。
ここでは、骨盤底筋を鍛えることで得られる主なメリットをご紹介します。
尿もれの改善・予防
骨盤底筋を鍛えることは、尿もれの改善や予防につながります。
くしゃみや咳をしたとき、笑ったときなど、お腹に力が入ったときに尿もれする「腹圧性尿失禁」の原因は、骨盤底筋の衰えであると言われてい
ます。
膀胱や尿道を支える骨盤底筋は排尿のコントロールを担う重要な役割を果たしています。
骨盤底筋を鍛えることで尿道を締める力が強化され、尿もれの改善・予防効果を期待できます。

腰痛や姿勢の改善
骨盤底筋を鍛えることで、腰痛の軽減や姿勢の改善効果が期待できます。
腹筋や背筋とともに、体幹を支える筋肉のひとつである骨盤底筋を鍛えることは、骨盤の安定性を高めることにもつながります。
骨盤底筋が衰えてしまうと骨盤の位置が不安定になり、姿勢の崩れや腰痛につながるリスクも高まります。
骨盤底筋のトレーニングで骨盤を安定させることで、腰痛の軽減や猫背・反り腰といった姿勢の改善や腰痛の軽減も目指していきまし
ょう。

ぽっこりお腹の改善
骨盤底筋を鍛えることは、ぽっこりお腹の改善にもつながります。
骨盤底筋は内臓を正しい位置で支える役割を担っており、骨盤底筋が衰えると内臓が下がってお腹がぽっこりする「内臓下垂」のリスクが高まると考えられています。
ぽっこりお腹が気になる方は、腹筋トレーニングに加えて骨盤底筋のトレーニングも実践し、骨盤の安定性から整えていきましょう。

3 尿もれ改善に効果的な骨盤底筋のトレーニング
骨盤底筋は身体の深層部にあるため鍛えづらい筋肉ですが、肛門や尿道を締めることを意識しながらトレーニングすることが効果的です。
ここでは、自宅で簡単にできる骨盤底筋のトレーニングを3つご紹介します。
すぐに取り組める筋トレメニューのため、ぜひ本日から取り組んでみましょう。
撮影協力:SIXPADオフィシャルトレーナー ENA
■ 座ったままできるトレーニング
椅子に座った状態で行う骨盤底筋のトレーニングは、重力の影響を受けにくく骨盤底筋の動きを意識しやすいため、骨盤底筋のトレーニングを初めて行う方はまず座った姿勢で行うトレーニングから始めてみましょう。
仕事中やテレビを見ながらでも手軽に取り組めるため、忙しい方や運動が苦手な方、デスクワークで座っている時間が長い方にもおすすめです。
-
1.
椅子に深く座って両足を床につける。
※ひざは90度に曲げ、骨盤を真っすぐ立
てる。 -
2.
肛門や尿道を「キュッ」と引き上げるようなイメージで骨盤底筋を締める。
※お尻やお腹の筋肉に力を入れないように注意しましょう。 -
3.
2の状態を約3秒間保ち、ゆっくりと力を
抜く。
※呼吸を止めないように意識しましょう。 -
4.
2~3を10回繰り返す。
■ 寝ながらできるトレーニング(仰向けのトレーニング)
仰向けの状態で行う骨盤底筋トレーニングは、身体への負担が少ないため、腰痛持ちの方やリハビリ中の方も無理なく取り組めるメニューです。
仰向けでリラックスした姿勢で取り組めるため、就寝前などに取り入れるといいでしょう。
-
1.
床やベッドに両ひざを立てた状態で仰向けに寝る。
※足は拳ひとつ分程度に開き、リラックスした姿勢を作りましょう。 -
2.
肛門や尿道を「キュッ」と引き上げるようなイメージで骨盤底筋を締める。
※お尻やお腹の筋肉に力を入れないように注意しましょう。 -
3.
2の状態を約5秒間キープした後、ゆっくり力を抜く。
※呼吸を止めないように意識しましょう。 -
4.
2~3を10回繰り返す。
■ 立った状態でできるトレーニング
立った状態で行う骨盤底筋トレーニングは、骨盤底筋を鍛えながら姿勢も整えられる効率的なメニューです。
料理や皿洗いなどの家事をしているときや立ち仕事中など、日常生活に取り入れやすい筋トレメニューです。
-
1.
足を肩幅に開いてまっすぐ立ち、両足に重心を均等に乗せた状態から、少し上体を前に倒す。
※背筋をまっすぐ伸ばし、猫背や反り腰にならないよう注意しましょう。
※バランスを保つのが難しい場合は、テーブルや壁を利用してください。 -
2.
肛門や尿道を「キュッ」と引き上げる感覚で骨盤底筋を締める。
-
3.
2の状態を約5秒間保ち、ゆっくり力を抜く。
※呼吸を止めないように意識しましょう。 -
4.
2~3を10回繰り返す。
■ 歩きながらできるトレーニング
歩きながら骨盤底筋を鍛えるトレーニングは、全身運動と組み合わせて効果を高めることが可能です。
通勤や買い物などの日常生活で歩いているときにトレーニングができ、尿もれの予防や姿勢改善、体幹の強化が期待できます。
歩きながら骨盤底筋を意識することが難しい場合は、まずは座位や仰向け、立位などの静止した姿勢で練習してから実践してみましょう。
慣れてきたら、骨盤底筋を締めた状態で歩く歩数を増やしたり、歩幅を広げたりして負荷を調整しましょう。
-
1.
背筋を伸ばし、あごを軽く引いた姿勢で
立つ。 -
2.
ゆっくり歩きながら、肛門や尿道を引き上げるイメージで骨盤底筋を「キュッ」と締める。
-
3.
骨盤底筋を締めた状態で5歩歩いたら、次の5歩は力を緩めながら歩く。
※骨盤は左右に揺らさず、安定した歩き方を心がけましょう。 -
4.
2~3のサイクルを繰り返す。
※このとき、呼吸を止めないように意識しましょう。
4 効果的な骨盤底筋トレーニングのためのポイント
骨盤底筋は腹筋などと異なり直接動きを確認することができないため、正しい方法でトレーニングを行い継続的に実践することが重要です。
ここでは骨盤底筋トレーニングを正しく実践するためのポイントを紹介しますので、ぜひ意識して取り組みましょう。
呼吸に合わせて行う
骨盤底筋のトレーニングをするときは、呼吸に合わせて筋肉を緩めたり締めたりすることで骨盤底筋が正しく動く感覚をつかみやすくなります。
息を吐くときには骨盤底筋を「締める」、吸うときに「緩める」ことを意識してみましょう。
呼吸を止めてしまうとお腹やお尻などに余計な力が入って骨盤底筋に適切に負荷をかけられなくなるため、トレーニング中は呼吸を止めないように注意しましょう。
尾骨の動きで確認する
骨盤底筋は体表から触って確認することが難しい筋肉ですが、骨盤底筋付近にある尾骨の動きを確認することで、正しく使えているかをチェックすることができます。
下記に尾骨の動きをチェックする方法を紹介しますので、骨盤底筋の動かし方を掴んでからトレーニングを実践してみましょう。
-
1.
横向きに寝た状態で、尾骨の先端を指先で触って位置を確認します。
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2.
骨盤底筋をキュッと締めたときに尾骨が身体の奥に引き込まれるような動きを感じることができたら、骨盤底筋を正しく使えている証拠です。
1~2を感覚が掴めるまで何度も繰り返し、分からない場合はトレーナーの指導を受けながらトレーニングを行うことをおすすめします。
5 まとめ
骨盤底筋をトレーニングで鍛えることは、尿もれの改善をはじめとして姿勢の改善、ぽっこりお腹の解消など、さまざまな効果が期待できます。
本記事では、座った状態や仰向けの状態で手軽に実践できるトレーニングから、歩いているときに取り組める骨盤底筋の筋トレメニューを紹介しました。
また骨盤底筋は直接動きを確認することができないため、呼吸を意識したり尾骨の動きをチェックしたりして正しく筋肉を動かせているか確認することが重要です。
骨盤底筋のトレーニングは特別な器具を使わず簡単に取り組めるメニューが多いため、尿もれが気になる方はぜひ日常生活に取り入れてみまし
ょう。