太もも・内転筋の筋トレ
太もも・内転筋を鍛える筋トレ
自宅で手軽に取り組める自重トレーニングを紹介
本記事では、身体のなかでも筋肉量が多い太もも・脚の筋トレメニューを紹介していきます。
自宅で取り組みやすい、特別な器具は使わず自重でトレーニングできる筋トレメニューですので、ぜひ最後までご覧ください。
1 太もも・脚の筋肉の構成と特徴
太もも・脚の筋肉のなかでも特に重要な筋肉が、大腿四頭筋、ハムストリング、内転筋、下腿三頭筋の4つです。
まずはそれぞれの筋肉の特徴を理解し、効率的に筋トレができるようにしましょう。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は、大腿直筋・内側広筋・中間広筋・外側広筋から構成されており、股関節からひざ関節をまたぐように存在する筋肉で、筋肉の中でも最も体積の大きい筋肉と言われています。
主な役割は、ひざ関節の伸展(ひざを伸ばすこと)と股関節の屈曲(股関節を曲げること)で、歩く・立つ・座るなどの日常生活の身体の動作に深く関わっています。
ハムストリング
ハムストリングは、太ももの裏にある3つの筋肉の総称で、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋から構成されています。
主な役割は、ひざ関節の屈曲(ひざを曲げる)と股関節の伸展(腰を前方に傾ける)です。
大腿四頭筋と同様に体積が大きな筋肉で、歩く・立つ・座るなどの日常生活の身体の動作に深く関わっています。
ハムストリングは大腿四頭筋の裏に位置する「拮抗筋」として、大腿四頭筋が伸びるとハムストリングが縮むというように、大腿四頭筋とは反対の動きをします。
内転筋(内腿)
内転筋は、恥骨筋・短内転筋・長内転筋・大内転筋から構成されており、股関節の付け根から太ももの内側にかけてある筋肉を指し、一般的に内腿(内もも)と呼ばれています。
主な役割は、股関節の内転(脚を閉じる)ですが、股関節周りにあることから骨盤の安定や歩行動作などさまざまな動きに必要な筋肉です。
下腿三頭筋
下腿三頭筋は、腓腹筋・ヒラメ筋から構成されており、大腿骨からアキレス腱部にかけて位置する筋肉です。
腓腹筋が「内側頭」「外側頭」のふたつで構成されていることから、下腿三頭筋と呼ばれています。
主な役割は、足関節の底屈(足首を下に向ける)で、立つ・歩く・階段の昇り降りなどの日常生活動作に深く関わっています。
2 太もも・脚を鍛えるメリット
太もも・脚の筋肉を鍛えることで、基礎代謝向上や姿勢、運動パフォーマンスの向上といったさまざまなメリットが期待できます。
ここでは、太もも・脚の筋肉を鍛えるメリットを紹介していきます。
基礎代謝が上がり痩せやすくなる
筋肉量が多い太もも・脚を鍛えることで、基礎代謝が上がり痩せやすくなる効果が期待できます。
普段何もしていないときのエネルギー消費である基礎代謝を上げるためには、筋肉量を増やすことが必要です。
太もも・脚を含む下半身の筋肉は、身体全体の筋肉量のうちおよそ60%以上を占めており、なかでも大腿四頭筋・ハムストリングは体積が大きい筋肉のため、太もも・脚を鍛えることで効率よく筋肉量を増やし基礎代謝を上げることができます。
トレーニングで基礎代謝を効率的に向上させ、太りにくく痩せやすい身体づくりにつなげましょう。
姿勢が良くなる
太もも・脚を鍛えると、姿勢が良くなる効果が期待できます。
姿勢を正しく保つために大切な「抗重力筋」と言われる筋肉には、腹筋や背筋といった上半身の筋肉だけでなく、大腿四頭筋・ハムストリング・下腿三頭筋といった下半身の筋肉も含まれています。
下半身の筋肉は姿勢を維持する土台となるため、鍛えることで姿勢が良くなる効果を期待できるでしょう。
男性は太くたくましく、女性は引き締まった太ももになる
太もも・脚を鍛えることでボディメイクが叶い、理想のスタイルに近づくことができます。
例えば男性は、筋トレによって筋肉量が増えることで、太くたくましい太もも・脚になることが期待できます。
また女性は、トレーニングをすることで基礎代謝が向上して太もも周辺の脂肪を燃焼させ、すっきりと引き締まった脚を手に入れられるでしょう。
特に大腿四頭筋・ハムストリングなどの筋肉は身体の表層部にあり、手で触れることで変化を感じられるため、トレーニングの効果が分かりやすくモチベーションも保ちやすいでしょう。
日常生活の動作(立つ・歩くなど)がスムーズになる
太もも・脚を鍛えると、立つ・歩くなどといった日常生活の動作がスムーズになります。
太ももを構成する大腿四頭筋・ハムストリング・内転筋・下腿三頭筋は全て、立つ・歩くなどの日常生活の動作に深く関わっているため、これらの筋肉が衰えてしまうと、日常生活に支障が出てしまいます。
特に下肢の筋肉量は20代ごろより大きく減少するため(1)、習慣的に太もも・脚を鍛えてスムーズな日常生活を維持することが大切です。
(1)参考:谷本ほか(2010)「日本人筋肉量の加齢による特徴」『日本老年医学会雑誌』47巻1号p.52-57
運動パフォーマンスの向上
太もも・脚の筋肉は多くのスポーツにおいて重要な筋肉であるため、鍛えることで運動パフォーマンスの向上が期待できます。
特に走る・跳ぶ・蹴るなどの動作を含んだスポーツにおいては、太もも・脚の筋肉を鍛えることは身体の動きにも直結すると言えるでしょう。
また投げる・打つなどの上半身を使うスポーツ競技においても、身体の安定や持続性のために下半身のトレーニングは必要不可欠です。
このように、太ももと脚を鍛えることは運動パフォーマンスの向上にも重要です。
3 自宅でできる太もも・脚の自重筋トレメニュー
ここでは、太もも・脚の筋肉を鍛えるのにおすすめの自重筋トレメニューを紹介していきます。
特別な器具を使わず自宅で手軽に取り組みやすい筋トレメニューを紹介していきますので、ぜひ実践してみてください。
撮影協力:SIXPADオフィシャルトレーナー KENTA
■ スクワット|幅広い目的で実践できる万能トレーニング
スクワットは、主に大腿四頭筋・ハムストリングに効果のあるトレーニングです。
太ももを全体的に鍛えることができるため、太ももをたくましく鍛えたい方から引き締めたい方まで、幅広い目的で実践できる万能トレーニングです。
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1.
足を肩幅くらいに開いて立ち、両手は床に平行になるように前方に伸ばすか胸の前でクロスする。
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2.
腰を軽く後ろに引きながら身体をゆっくりと下げ、両ひざが約90°になるようにひざを曲げる。
※上半身は真っ直ぐ保つようにしましょう。 -
3.
足裏で床を押しながらゆっくり立ち上がる。
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4.
1~4を10回×3セット行う。
■ カーフレイズ|手軽に取り組みたい方におすすめ
カーフレイズは、下腿三頭筋にアプローチしてふくらはぎを鍛えられるトレーニングです。
動作も簡単で誰でも手軽にできるため、初心者やご高齢の方にも実践しやすい筋トレメニューです。
下腿三頭筋(ふくらはぎ)は血液を心臓へと送り返すポンプのような役割を担っているため、習慣的なトレーニングで日頃から鍛えておきましょう。
物足りなさを感じる場合は、写真のようにダンベルで負荷をかけて実践するのもおすすめです。
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1.
足は腰幅に開き真っすぐ立つ。
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2.
上体がぶれないように、つま先で立つ。
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3.
1~2を10回×3セット行う。
■ ワイドスタンススクワット|太もも・内転筋・ヒップを引き締めたい方におすすめ
ワイドスタンススクワットは、主に大腿四頭筋・内転筋(内もも)・大臀筋を鍛えられるトレーニングです。
通常のスクワットと比較して内転筋・大臀筋により負荷をかけることができるため、太ももやヒップを引き締めたい女性にもおすすめのトレーニングです。
基本的なフォームは通常のスクワットと同じですが、足をより広く開き足先を外側に向けて実践しましょう。
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1.
足は肩幅よりも広めに開き、つま先は外側(約45°)に向けて立ち、手は頭の後ろに置くか胸の前でクロスする。
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2.
足を開くように腰を落とし、両ひざが約90°になるようにひざを曲げる。
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3.
ゆっくりと1の姿勢に戻る。
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4.
1~3を10回×3セット行う。
■ ランジ|片脚ずつ負荷をしっかりかけたい方におすすめ
ランジは、主に大腿四頭筋・ハムストリングを鍛えられるトレーニングです。
太ももの筋肉を片脚ずつ重点的にトレーニングができるため、スクワットでは物足りなくなった方や、太ももを片方ずつしっかりと鍛えたい方におすすめのトレーニングです。
運動強度はやや高めのため、初心者の方は無理のない範囲での実践を心がけましょう。
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1.
真っすぐ立ち、両足を腰幅程度に広げる。
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2.
片方の足を前に出し、ひざを約90°に曲げる。
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3.
1の位置に戻り、逆の足を同様に前に出す。
後ろ足のひざは、地面に着かないギリギリまで曲げる。 -
4.
1~3を10回×3セット行う。
■ アンクルホップ|ふくらはぎをよりしっかり鍛えたい方におすすめ
アンクルホップは、ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋を鍛えられるトレーニングです。
カーフレイズよりも強度が高いため、カーフレイズに物足りなさを感じてきたときはアンクルホップの実践がおすすめです。
縄跳びのようなジャンプ動作を伴うトレーニングのため、怪我に注意して実践しましょう。
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1.
足幅を拳ひとつ分開けて立つ。
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2.
背伸びをするように両足のかかとを浮かせる。
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3.
ひざを軽く曲げながら、つま先で地面を蹴りジャンプをする。
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4.
かかとは浮かせたままつま先で着地し、連続でジャンプする。
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5.
2~4を10回×3セット行う。
■ サイドランジ|太もも・内転筋にしっかり負荷をかけたい方におすすめ
サイドランジは、主に大腿四頭筋・内転筋(内もも)を鍛えられるトレーニングです。
足を大きく開いてスクワットの動作をする「ワイドスクワット」と似ていますが、サイドランジは片方ずつに負荷をしっかりかけることができるため、太ももを片方ずつしっかり鍛えたいとき、ワイドスクワットでは物足りなさを感じたときの実践をおすすめします。
また内ももにもしっかり負荷がかかるため、内転筋の筋トレにもおすすめです。
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1.
足を肩幅よりやや広く開き、つま先は外側(約45°)に向けて立つ。
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2.
片方の足に体重を乗せながら、ひざを約90°に曲げる。
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3.
1の姿勢に戻り、反対の足も同様に行う。
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4.
1~3を10回×2セット行う。
■ ジャンプランジ|中・上級者の方におすすめ
ジャンプランジは、主に大腿四頭筋・ハムストリングを鍛えられるトレーニングです。
運動強度が高くジャンプ動作も伴うため、初心者よりも中~上級者向けのトレーニングです。
またジャンプ動作によって心拍数も上がるため、有酸素運動としての効果も期待できます。
フォームが崩れてしまうとひざや足を痛める恐れがあるため、特に着地時のフォームを意識して実践しましょう。
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1.
足を腰幅程度に広げて立つ。
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2.
ジャンプし、足を前後に開いた状態で着地する(前足のひざは約90°、後ろ足のひざは地面ぎりぎりまで曲げる)。
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3.
再びジャンプし、左右の足を入れ替えて着地する。
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4.
2~3を10回×2~3セット行う。
■ ブルガリアンスクワット|より効果的に太ももを鍛えたい方におすすめ
ブルガリアンスクワットは、主に大腿四頭筋・ハムストリングを鍛えられるトレーニングです。
運動強度が高く、動作時にバランスをとることが必要なトレーニングのため、中~上級者向けのトレーニングです。
片方の足を台に乗せる必要があるため、椅子やベッドなどを活用して実践するといいでしょう。
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1.
まず片方の足を大きく前に出し、反対の足は台に乗せる。
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2.
前に出した足に体重をかけたまま、お尻を下におろす。
※ひざはつま先より前に出ないように注意しましょう。 -
3.
上体を元の位置に戻す。
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4.
2~3を10回×2~3セット行う。
4 太もも・脚をより太くする方法
太もも・脚をより太くするためには、下記の点を意識することでより効果が期待できるでしょう。
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・10回程度しか反復できない程度の負荷でトレーニングをする
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・大きな筋肉(大腿四頭筋・ハムストリングなど)をメインに鍛える
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・筋肉をしっかりと休める
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・栄養バランスと睡眠の質を高める
筋トレでよく用いられる考え方として、「最大反復回数」というものがあります。
太もも・脚の筋肉をトレーニングで筋肥大させて太くするためには、10回程度で限界を感じる負荷でトレーニングするといいでしょう。
10回以上反復できる場合は負荷を上げ、より効率的にトレーニングができるように調整してみましょう。
また、トレーニングによって傷ついた筋肉には回復期間が必要です。
傷ついた筋肉が回復するにはおよそ24~48時間かかると言われており、筋トレ後は鍛えた筋肉をしっかりと休める期間を設けることが大切です。
トレーニングによって傷ついた筋線維は回復の過程で太くなるため(超回復)、トレーニングをするうえで休息はしっかりと取るようにしましょう。
トレーニングの負荷や回復期間を設けるだけでなく、食事や睡眠も意識することでより高い筋トレ効果を期待することができるでしょう。
トレーニング前には糖質の多い食事を摂り、トレーニング中に力を発揮しやすい状態にしましょう。
トレーニング後は糖質と筋肉を構成するたんぱく質を多めに摂取し、トレーニング中に消費された糖質を補いましょう。
ダメージを受けた筋肉を修復して筋肉の疲労回復を促す働きがある成長ホルモンは就寝中に多く分泌されるため、質の高い睡眠をとることも重要です。
就寝の90分前には食事と入浴を済ませ、良質な睡眠をとって筋肉の疲労も回復できるように努めましょう。
5 手軽に筋トレをするなら、「ながら」で継続しやすいEMSトレーニング・ギアもおすすめ
忙しくて自重筋トレをする時間が取れない日は、EMSトレーニング・ギアを活用することもおすすめです。
筋肉に直接アプローチできるEMS(筋電気刺激)を活用してトレーニングをすることで、太もも・脚の筋肉を効率的に鍛えることが可能です。
本を読んだりテレビを見たりしながらトレーニングができるので、トレーニングを継続しやすく、運動が苦手な人にもおすすめです。
Powersuit Bottom(パワースーツ ボトム)
「Powersuit Bottom」は、EMSが大腿四頭筋、ハムストリングにアプローチして太ももの筋肉を鍛えることができます。
太ももの筋肉に加えお尻の筋肉(大臀筋)にもアプローチできるので、下半身をバランスよくトレーニングしたい方にもおすすめです。
「Powersuit Top」を合わせて使用すれば、全身7部位14か所を同時に鍛えることも可能です。
Knee Fit(ニーフィット)
「Knee Fit」は、EMS(筋電気刺激)が大腿四頭筋にアプローチし、ひざにつながる太ももの筋肉を鍛えることができます。
室内で座ったままトレーニングができるので、足腰やひざに不安がある方でも気軽にトレーニングすることが可能です。
Foot Fit Plus 2(フットフィットプラス2)
足裏から太ももまで効率的にトレーニングをしたい方は、「Foot Fit Plus 2」をおすすめします。
Foot Fit Plus 2は、EMS(筋電気刺激)が足裏から太ももまでアプローチし、脚の筋肉を効率よく鍛えることが可能です。
足を乗せることでトレーニングができるので、椅子に座ったまま気軽に筋トレをすることが可能です。
6 まとめ
本記事では、太もも・脚を鍛えるメリットと、自宅で手軽にできるおすすめの自重筋トレメニューを紹介しました。
太ももや脚を鍛えることは、基礎代謝の向上や運動パフォーマンスアップなど、
日常生活の中でさまざまな効果を望めます。
トレーニングの負荷や食事なども工夫しながら、積極的に鍛えましょう。