腰痛のストレッチ
腰痛改善で取り組みたいストレッチ・筋トレ
負担が少なく自宅で取り組めるメニュー
本記事では、腰痛改善につながるストレッチや筋トレについて解説していきます。
腰周りの筋肉やその役割を解説した後、腰に負担の少ないストレッチや筋トレメニューを紹介します。
自宅で手軽に取り組めるメニューですので、腰痛に悩んでいる方は無理のない範囲でぜひ取り組んでみてください。
1 腰痛改善につながる腰周りの筋肉
腰周りの筋肉は「体幹」という表現をされることもあるように、身体の幹となる部分の筋肉です。
そのなかでも深層にある筋肉には脊椎(背骨)を支える役割があり、正しい姿勢を維持するためには欠かせない筋肉です。
この章では、特に腰痛と関わりの深い腹直筋、脊柱起立筋、腰方形筋、腸腰筋について紹介していきます。
腹直筋とその役割
腹直筋は、肋骨から恥骨にかけてある筋肉です。
縦に白線、横に腱画という腱線維があり、それらによって筋肉が6~8つに分かれています。
腹直筋は、背中を丸める体幹屈曲動作を担うと同時に、姿勢を正しく保持する役割も担っており、特に骨盤が前傾して腰椎(腰の骨)が過度に反るのを防いでいます。
腹直筋が衰えると骨盤が前傾して腰が過度に反り、腰痛につながる場合があります。
脊柱起立筋とその役割
脊柱起立筋(腸肋筋・最長筋・棘筋の総称)は、脊椎(背骨)の両サイドに沿うように存在する筋肉です。
脊柱起立筋は、上体を後ろに反らす、横に傾けるといった動きを担っていますが、骨盤から頭部までの広範囲に位置する筋肉のため、正しい姿勢を保つ役割もあります。
脊柱起立筋が衰えたり硬くなったりすると正しい姿勢を保つことが難しくなり、姿勢が崩れて腰痛につながることがあります。
腰方形筋とその役割
腰方形筋は、背中の最深部に位置する筋肉で、骨盤から腰椎・肋骨(いちばん下)に左右が対になって付着しています。
腰方形筋は小さな筋肉ですが、体幹の伸展(腰を後ろに反らす)や体幹の側屈(身体を横に倒す)のほか、骨盤を引き上げる動作を担いながら骨盤を安定させる働きも担っています。
腰方形筋が衰えると、骨盤の高さが左右不均衡になって身体のバランスが崩れることから腰痛につながることがあります。
腸腰筋とその役割
腸腰筋は腰椎から大腿骨の上部にかけて位置しており、上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉
です。
腸腰筋の大きな役割は、股関節の屈曲(ももを上げる・しゃがむなど)や股関節の外旋(股関節を外に回す)で、歩く・立つなどの日常生活の多くの動きには腸腰筋が関与しています。
また、腸腰筋は上半身と下半身をつないでいるため、体幹の安定につながる重要な筋肉です。
腸腰筋が衰えると姿勢が不安定になり、腰痛を引き起こす可能性があります。
2 腰痛改善におすすめのストレッチ
腰痛改善のためには、ストレッチを習慣化させて腰周りの筋肉をしっかりケアすることが大切
です。
疲労物質の蓄積や血行不良により筋肉が硬くなると、腰への負担が増えて腰痛の引き金になる場合があります。
適度にストレッチを実践して筋肉を伸ばし、血行を促進することで筋肉に柔軟性が生まれ、腰痛の改善が期待できます。
以下では、自宅で簡単にできる腰痛改善に効果的なストレッチを厳選して紹介していきます。
腰への負担が少ない順番で紹介していきますので、ご自身の身体の状態に合わせて実践しやすいものからぜひお試しください。
ただし、強い痛みを感じる場合は直ちに中止してください。
撮影協力:SIXPADオフィシャルトレーナー KENTA
寝ながらできるストレッチ
寝ながらできる腰痛改善ストレッチを3つご紹介します。
■ 両ひざ抱えストレッチ
両ひざ抱えストレッチは、寝転がった状態で背中から腰までを伸ばすストレッチです。
身体を動かす仕事や立ち仕事などが多い人は、背中から腰の筋肉に負担がかかって硬くなりやすいため、ひざを抱えるストレッチで適度に筋肉を伸ばしましょう。
-
1.
仰向けに寝て、息を吐きながら、胸に近づけるイメージで両ひざを抱える。
-
2.
15秒程度呼吸をしながらその姿勢をキープする。
-
3.
両ひざを床に戻して、仰向けの状態に戻る。
-
4.
1~3を3~5セット行う。
■ 片ひざ抱えストレッチ
片ひざ抱えストレッチは、片方のひざを抱えることで背中からお尻を伸ばすストレッチです。
もう片方の足を伸ばした状態でキープすることで、骨盤前面の腸腰筋を伸ばすストレッチにもなります。
ひとつのストレッチで腰の前と後ろを伸ばすことができるため、普段の身体活動量に関わらず多くの人におすすめのストレッチです。
-
1.
仰向けに寝て、息を吐きながら、胸に近づけるイメージで片方のひざを抱える。
※もう片方の足は、ひざが浮き上がらないよう真っすぐにキープしましょう。 -
2.
15秒程度呼吸をしながらその姿勢をキープする。
-
3.
片ひざを床に戻して、仰向けの状態に戻る。
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4.
1~3を片足ずつ、3~5セット行う。
■ 腰反りストレッチ
腰反りストレッチは、腰を反らすことで腹直筋を伸ばすストレッチです。
腹直筋は、姿勢の保持に使われている筋肉のひとつであるため、気づかないうちに腹直筋を酷使している場合もあります。
腰反りストレッチを行って腹直筋をほぐすことで姿勢の安定につながり、腰痛改善の効果も期待できるでしょう。
特に、筋力の弱い方は意識して腹直筋を伸ばすようにしましょう。
-
1.
うつ伏せで寝る。
-
2.
両ひじを床につけて、少しずつ上体を
起こす。 -
3.
2の状態を15秒程度キープする。
座ったままできるストレッチ
以下では、座ったまま行えるストレッチをご紹介します。
デスクワークの合間などにも手軽に取り組めるため、定期的に実践すると腰痛改善に効果的
です。
■ 腰ひねりストレッチ
椅子に座った状態でできる腰のストレッチのなかで最も一般的なものが、腰をひねるストレッチ
です。
腰を適度にひねることで、背中やお腹の横を効率的に伸ばすことができるため、運動不足の方やデスクワークの方には特に取り入れていただきたいストレッチです。
背もたれがある椅子の場合は、腰をひねるときに背もたれをつかむといいでしょう。
-
1.
椅子にやや浅めに座り、足は腰幅程度に
開く。 -
2.
後ろを振り返るようなイメージで、上半身を片側にひねって10~15秒間キープする。
※このとき、呼吸を止めないように注意しましょう。 -
3.
1の状態に戻り、上半身をもう片側にひねって10~15秒間キープする。
-
4.
1~3を10回程度行う。
■ 腰を丸めるストレッチ
腰を丸めるストレッチは、お腹のトレーニングも兼ねた万能ストレッチです。
腰を丸める動作は、背中上部の筋肉をストレッチできることに加え、腹直筋を収縮させることで腹筋のトレーニングもできます。
丸めた腰を伸ばす動作は、脊柱起立筋を中心とした背中から腰に適度な伸びが加わることで柔軟性が高まり、腰痛改善の効果が期待できます。
いずれも大きな動作は伴わないため、デスクワーク中にも人目を気にせず取り組むことができるでしょう。
-
1.
椅子にやや浅めに座る。
-
2.
息を吐きながら、お腹の筋肉を収縮させるイメージで腰を丸める。
-
3.
呼吸を止めないように、10~15秒間キープする。
-
4.
1の状態に戻り、息を吸いながら背伸びをするように腰を伸ばす。
-
5.
1~4を10回程度行う。
■ 上体を前に倒すストレッチ
上体を前に倒すストレッチはシンプルですが、脊柱起立筋を中心とした背中下部から腰にかけて効率よく伸ばすことができるストレッチです。
立った状態で行うと、背中や腰でなく太ももにストレッチが効いてしまう場合があるため、腰周りをストレッチできるよう椅子に座って行いまし
ょう。
-
1.
椅子にやや浅めに座る。
-
2.
腕を伸ばした状態で、上体を前に倒す。
※余裕がある人は両手を床につけて、よりしっかり筋肉を伸ばしましょう。 -
3.
呼吸を止めないように10~15秒間キープする。
-
4.
1~3を10回程度行う。
3 腰痛改善におすすめの筋トレ
腰痛改善のためにはストレッチで筋肉を伸ばすことが大切ですが、筋トレで姿勢の安定につながる筋肉を強化することも、腰への負担軽減につながります。
また、筋トレをすることで血行が促進されて筋肉の柔軟性も高まり、腰痛改善の効果も期待でき
ます。
この章では、腰痛改善におすすめの筋トレを腰に負担の少ない順に紹介します。
自宅で手軽に取り組める筋トレメニューですので、ストレッチと併せてぜひ実践しましょう。
ただし、強い痛みを感じる場合は直ちに中止してください。
撮影協力:SIXPADオフィシャルトレーナー KENTA
■ プランク
プランクは、腹直筋・脊柱起立筋を中心とした腰周りの筋肉を鍛える筋力トレーニングです。
腰を反らせたりひねったりする動作はなく腰への負担は比較的少ないため、初心者でも取り入れやすいトレーニングです。
お尻が下がってフォームが崩れると腰への負担が増えるため、フォームを意識して実践するようにしましょう。
- 鍛える筋肉:脊柱起立筋・腹直筋・腹横筋・広背筋
- 腰への負担:1(3段階評価)
-
1.
うつ伏せの状態から両ひじを床につける。
-
2.
腰を浮かせてつま先を立て、横から見ると一直線になるように姿勢をキープする。
-
3.
2の姿勢を20~30秒キープ×2~3セット
行う。
■ ヒップリフト
ヒップリフトは、お尻周りの筋肉に加えて脊柱起立筋や腹横筋などの体幹も鍛えることができる万能トレーニング
です。
腰を持ち上げる動作を伴うため腰への負担が少しありますが、お尻を持ち上げるだけの簡単な動作のため、女性や筋トレ初心者でも実践しやすいでしょう。
お尻を持ち上げ過ぎて腰が反り過ぎると腰への負担が増加して逆効果になってしまうため、正しいフォームを意識して実践しましょう。
- 鍛える筋肉:大臀筋・腹直筋・脊柱起立筋・腹横筋
- 腰への負担:2(3段階評価)
-
1.
マットの上に仰向けになり、両ひざを立てて足裏を床につける。
-
2.
床を足裏で押してお尻を持ち上げ、お尻がいちばん高い位置でキープする。
-
3.
2の状態を20~30秒キープする。
■ レッグレイズ
レッグレイズは、腹直筋(主に下部)を鍛えるトレーニングで有名ですが、腰痛に関わる腸腰筋も同時に鍛えることができます。
仰向けに寝た状態で足の上げ下げを行うだけのシンプルなトレーニングですが、強度が高く、腰に負担もかかりやすいため難易度は高くなり
ます。
慣れるまでは両足を真上まで上げず軽く地面から浮かせるだけでも効果が実感できるため、無理をせず徐々に強度を上げていきましょう。
- 鍛える筋肉:腹直筋(主に下部)・腸腰筋
- 腰への負担:3(3段階評価)
-
1.
脚を伸ばして仰向けになり、手は身体の横か、お尻の下に置く。
-
2.
足を揃えた状態で、太ももを真上に向かって真っすぐ上げる。
-
3.
息を吐きながら、脚を床につくぎりぎりのところまでゆっくり下ろす。
※脚を下ろすときは腰が反らないように気をつけてください。 -
4.
1~3を10回×2~3セット行う。
4 腰痛を予防するためには
腰痛の予防にはさまざまな方法がありますが、特に日常生活で意識しやすい「姿勢」「運動」「休養」に気をつけるのが効果的でしょう。
姿勢に気をつける
腰痛を予防するには、普段の姿勢に気をつけることが大切です。
特に、猫背にならないよう注意が必要です。
スマートフォンの操作やパソコン作業をするときは、必要以上に画面に顔をつけないように注意し、画面と適度な距離を保って正しい姿勢を維持できるように意識しましょう。
また、脚を組む・横座りをするなども、骨盤のバランスが崩れて腰痛を発症することがあります。
無意識にやっているなど、心あたりのある方はご注意ください。
運動をする
運動不足の状態が続くと筋肉が衰えて正しい姿勢を保持できなくなり、腰痛を発症してしまう場合があります。
厚生労働省も腰痛改善のために適度に身体を動かすことを推奨しており、1日8,000歩程度歩くことを目標にするといいでしょう(1)。
運動を行う際に大切なのは、継続できるように工夫することです。
はじめから無理な運動を行うと高い確率で挫折してしまうため、軽い運動からでもいいので続けられるものから少しずつ実践していくようにしましょう。
(1)参考:今日の腰痛予防対策マニュアル|厚生労働省
しっかり休養を取る
腰痛の予防には、しっかりと休養を取ることも大切です。
腰痛に関わりのある筋肉の多くは、姿勢を保持するために常に緊張状態にあることが多いため、筋肉をしっかり休めることを意識しましょう。
ストレッチや入浴で血行を促進し、筋肉の回復に必要な栄養を効率よく運べるようにすることが重要です。
ストレッチや入浴のほか、着て寝るだけで血行を促進し疲労回復ができる「SIXPAD Recovery Wear Sleep」もおすすめです。
Recovery Wear Sleepは、天然鉱石を原料とした高純度セラミック(非金属)を練り込んだ特殊繊維が体温を輻射(ふくしゃ)することで血行を促進し、腰痛の改善や筋肉の疲れの軽減、神経痛の緩和にも効果があります。
5 まとめ
本記事では、腰痛に関わる筋肉やその役割を紹介したのち、腰痛改善につながるストレッチや筋トレメニューを紹介しま
した。
腰に負担をかけずに取り組めるメニューもあるので、身体の状態に合わせて取り組みやすいものから実践してみてくだ
さい。
大切なことは、ストレッチや筋トレを継続的に取り組み、習慣化することです。
また、腰痛を予防するためにも、姿勢や運動、休養など、普段の生活も意識してみましょう。